『Eテレ「Rの法則」声優ぶっちゃけトーク』まとめ
5月23日(水)18:55からEテレで放送されたRの法則「声優ぶっちゃけトーク」は、声優3年目の若手15人が集まり、声優の生活の実態や現場での苦労が見れて、とても興味深い内容となっていまいた。
オーディション落選の日々で掴んだ主役~赤崎千夏さん~
Rの法則のレビュラー陣には声優になりたい子もいます。甲高い声を生かして、将来は声優になりたいと言う巴奎依(ともえけい)さん。
今回、あこがれ声優さん特に赤崎千夏さんが来るということで、収録前からドキドキが止まらなかったそうです。
キルミーベイベーの主役・折部やすな役の赤崎千夏さんは声優オーディションのウラ側について話されていました。
オーディションには大御所も新人も参加され、ベテランの方が落ちる可能性もあるそうです。
赤崎さんはオーディションに参加するも落選の連続で、もうだめだと思っていた時に、やすな役をいただけて、これからまだ頑張れると転機になったと語られました。
主役をやらせてもらったことで、名前と顔を覚えていただけてすごく嬉しかった。イベントでも「良かったよ」といってもらえたりして、声優冥利につきると思ったそうです。
声優でも歌唱力・容姿は重要?声優のアイドル化について
Rの法則レギュラーの前田亜美さんは、「声優オーディションでは歌をうたうこともあるんですか?」と質問されました。
赤崎千夏さんは、歌がテーマになっている作品だと歌唱審査もあると答えました。
毎日腹式呼吸トレーニングを行なっているという竹内英治さんは、アイドルもののアニメのオーディションを受ける際、事前に歌を渡されて、かっこよく歌ってくださいと要求されたことがあるそうです。
カラオケBOXでトレーニングしているという佐々木智代さんは、歌が歌えて楽譜が読めない子でないとオーディションが受けられないケースもあったと話されました。
ゲストのロッチさんからは、「オーディションにビジュアルは関係ないですか?」という生々しい質問が。
海外ドラマの吹き替えを得意とする山中まどかさんは、同じ実力だったら容姿で選ぶこともあるのではと思っているようです。
双子のお姉さんも声優をされている中島ヒロさんは、オーディションの募集要項に、「イベント・歌唱・顔出しが可能な方」という条件が入っているものが最近多くなったと話されていました。キャラクターと声優がシンクロして、声優さん自身がキャラクターのコスプレをしてイベントに出ることも多くなってきたことも背景にあるのではないかと語られました。
小さな女の子から高校生役までが得意な須藤沙織さんは、オーディションで「コスプレできますか?」と聞かれた経験があると話されました。
ほんのひとにぎり 一流声優への道 ある事務所の場合
養成所への応募は毎年約700人。そのうち合格は90人程度だそうです。
さらに2年目に進めるのが20~25人。
2年目が終わった後、事務所に所属できるのが約10人。
そこから、一流声優になるのは、ほんのひとにぎりということです。
会場に集まった若手15人は相当の数の中を勝ち残ってきた方たちなのです。
3年目の声優の実態 練習とアルバイト、ボイスサンプル作成の日々 仕事は簡単にはもらえない
岡澤由樹さんに密着されてました。午後7時、ダンススクールで受付のアルバイト。アルバイトしている声優さんは多いと言う。
自宅に帰り、ボイスレコーダーを使って、ボイスサンプル(声の見本)撮り。自分の納得できる最高の出来になるまで、完成度を高めます。ボイスサンプルが認められないと仕事を取るのは難しいとのことです。
翌朝、事務所にスケジュールを確認しにいくも、新しい仕事はありません。5月は2件だけでした。マネージャからボイスサンプルのダメ出しをくらっても何度もチャレンジ。とても前向きでした。
ボイスサンプルは名刺がわり。事務所に行ってマネージャに聞いてもらうことが大事と山中まどかさん。
人間以外の声が得意な森優子さんは、ボイスサンプルを頑張りすぎてはいけないと言います。現場でボイスサンプルレベルのことが出来ないじゃないと言われることもある。つまり、ボイスサンプルの「盛りすぎ」は良くないとのことでした。
気になる!? 声優さんのお給料
しっとりしたナレーションを得意とする和優希さんは、吹き替えは1本いくらというのが決まっていて、多く仕事をすれば多くもらえるが、何もないときはもちろん1円も入らないと話されました。
声優の出演料を決めている日本俳優連合によると、声優の出演料はランク制で、3年目までは新人ランクで、30分番組1本15000円とのことです。どんなにセリフがあっても、逆に一言であっても、出演料は一緒です。
15000円から事務所が手数料等を引いた金額が、声優に手渡される形になります。
赤崎千夏さんは、主役を勤めたキルミーベイベーでも、他の作品でひと言「おはよー」だけでも一緒であったと話されました。
どっちがいいかと迫られ、楽しいのはキルミーベイベーだけど・・・と言葉に詰まられてました。
北京から声優目指して来日した劉セイラさんは、毎日が牛丼屋生活でラーメン屋は贅沢であると、つらい生活を語られました。
声の仕事だけで生活できている?
15人中、YESは4人だけ。赤崎さんは迷ってYES。仕事の量には波があり、仕事が無い時はあるでしょうとのことでした。
ナレーションとボイスオーバーを主にされている渡部紗弓さんは、コールセンターでバイトを。
森優子さんは、収入が0の月もあり、バイトをしないときついと。以前プールの監視員をしていたのですが、日焼けするからと事務所からNGがでたそうです。
26歳で会社を辞めて声優の道へ進んだ松本大督さんは、昨年結婚したばかり。声優だけでは食べていけないのに、奥様からはバイト禁止令が出ているそうです。理由は、奥様が「声優の仕事だけでいけるように、今はとにかく練習!」と後押ししてくれているからだそうです。
若手声優4人で生アフレコに挑戦
難関を勝ち抜いたさすがの実力をアピールされていました。
自分で役を作っていっても、現場で急に変えられることもあると語る山本祥太さん。
いろんなバリエーションができないといけない。特に若手は兼ね役(1人2役以上を兼ねること)を求められることが多いのでなおさら。
同期の老け役が得意な高木達也さんに、「老けってどうやるの」と相談することもあったといいます。
山中まどかさんはマイクワークの難しさを語られていました。失敗して先輩にぶつかってしまったときは、注意されることもあったといいます。
超大御所の野沢雅子さんが登場
先ほどの若手4人でやられたアフレコを、野沢さんが1人4役でやられ、その見事なセリフ回し、安定感、役の変化に、一同驚愕していました。
ドラゴンボールの悟空役もオーディションだっと話されました。原作の鳥山明さんが沢山の候補者の声を聞いて、この人と決めたのが野沢さんだったそうです。
悟飯役をやることは、収録当日まで知らなったそうです。難しいとはあまり考えなかったそうです。
絵があれば、絵の中にスーッとマイクの前に行くまでに入れると。それで絵と声のイメージが違う言われたことは一度もなかったそうです。
岡澤さんから野沢さんへ「若いころにやっていた練習法は」と質問がありました。
野沢さんは、滑舌の教本のなかで「あら また赤旗があがった勝った勝った 赤が勝った」などといった短いものを、365日毎日練習したと話されました。
司会のTOKIO山口さんからは「声優の醍醐味とは」と質問。
野沢さんは「自分でないものになれる。動物にでもなんでも。好きなことが職業であるのは素敵なことです。」と語られました。
声優でモテたことはある?
Rの法則レギュラーの飯田麻由さんからは「その声で異性を落としたことはありますか?」とかなりプライベートな質問が。
岡澤由樹さんは、『ある先輩が、飲み会でまわりが騒いでいる時に、狙っている女の子の耳元でとてもいい声で「この後空いてる?」と囁いたりしたこともあった』と暴露されました。
声優の仕事はおすすめできる?
15人中、YESは8人。
NO派
山中まどかさん→食べていけるのは一握りであり、強い意志がないと難しい。
佐々木智代さん→ただアニメが好きってだけで目指そうとすると、アニメ以外の仕事も一杯あるので、アニメに出たいというだけであったらおすすめできない。
YES派
竹内英治さん→やりたい仕事というなら声優を選ぶのは良いと思う。とても楽しい仕事です。やりたい人にはおすすめしたい仕事です。
楽しくも厳しい声優業界、それでも目指していくなら強い意思が必要だと感じさせられる、声優を目指す方にとってはとても良い番組だったと思います。